はじめに

今から約四半世紀前、私が高校生だった頃のスポーツ(界)は根性論が支配していました。例えば、中学や高校における運動部の部活動で、子供たち(選手・学生)は練習中に水を飲むことを許されず、日々長時間の練習を強要されていました。脱水症状で倒れる子供もいましたが、指導者は「気合いが足りないからだ」と一喝したものです。また、「猛練習」によって怪我などの事故が起きた時、適切な対応をとることができる指導者は皆無に近かったと思います。スポーツにおける事故が起こるたびに、一時的にその問題がマスコミなどで話題になることはあっても、それが「とんでもない問題である」という社会的認識へと昇華していくにはまだまだ長い時間を要すことになります。いつの頃からか、親や選手の間から「本当に練習中に水を飲まなくても大丈夫なのか」「倒れるのは気合いが入っているかどうかの問題なのか」という疑問の声が次々と挙がるようになりました。スポーツで事故が起きないのは、管理が行き届いているからではなく、いくつかの「偶然」が重なったことによって産み出されているだけだということに気付き、依然として大きな事故と常に隣り合わせであることに危機感を募らせる人が非常に多くなってきたのです。「スポーツにおける身近な事故は、事前の対策で防ぐことができる」という専門家の指摘も多くなってきました。そのような背景をもとに、スポーツ活動を提供する側(学校や地域コミュニティ)は、この問題について取り組まざるをえない状況になっていったのです。しかし、元々それらに対するノウハウが乏しかったので、問題解決へのアクションは鈍く、環境改善の取り組みはなかなか前進しませんでした。そうしている間にも、スポーツにおける事故は次々と起こったのです。そういったわけで、もはや自分たちの力だけでは限界があることを悟り、医師やアスレティック・トレーナーといった専門家の力を借りて、どうすればスポーツを行う際の安全性を確保出来るかを考えるようになっていったのです。この段階にたどり着くまでに実に長い年月が費やされてきたのです。そしてついに、近年では練習中の水分摂取は常識となり、炎天下での長時間の練習もかなり限られたものになってきました。時代は根性論支配から科学的根拠に基づいた活動へと徐々に移行しつつあります。更なる環境改善・環境整備のために日々安全面のサポート対策が議論され、まだまだ不十分ではあるものの、スポーツを行う上での不安は以前に比べれば格段に少なくなってきたのです。

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2014/02/04
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